慶長度江戸城天守の史料(その2)
然レバ家康公興サセラルゝ江城ノ殿守ハ五重、鉛瓦ニテ葺キ給ウ。富士山ニ並ビ、雪ノ嶺ニ聳エ、夏モ雪カト見エテ面白シ。
殿守ハ雲井ニソビエオビタゞシク、ナマリカワラヲフキ給ヘバ、雪山ノ如シ……海上ヨリ、此レヲ目カケ一舟ヲ乗……
日本中ヨリ大石ヲ運ブ、西国ノ大名衆ハ、津ノ国ノ御影石コソシロシトシテ、此大石ヲ数十艘ノ舟ニノセ江戸ノ湊ヘ運ビ……
この記述より
- 家康が築いた天守は五重で瓦は鉛瓦葺、富士山と並んで雪を戴き、夏でも雪の様に見えて面白い
- 天守は雲へ聳えていると感じるほどに高く、鉛瓦を葺いているので雪山の様だ……海より天守を目標にして舟を乗り出し……
- (江戸城を築く為、)日本中より大石を運び、西国大名達は摂津の御影石が白くて良いとし、この大石を数十艘で江戸の湊まで運んで……
ここから読める天守の内容は
- 天守は五重で鉛瓦葺
武庫御影石
となります。
つまり慶長度江戸天守は石垣・壁・屋根に至るまで白色を貫いた城であり、そのこだわりは姫路城を上回るものでした。